就活生・新入社員に必要な社会人のスキル・心得(後編)

就活生・新入社員に必要な社会人のスキル・心得(後編)

今回も私の思う“社会人のスキル・心得”後編を紹介いたします。前編では就活生、新入社員の方向けにEQ、コミュニケーション、段取り、情報収集、問題解決力についてご紹介しました。今回、後編はそのレベルアップ編!の位置づけで、ゴール思考、プロセス思考、MECE、帰納法、演繹法、戦略的思考、SWOT分析についてご紹介します。

①社会人のスキル・心得:ゴール思考とプロセス思考

周りから“必要とされる”社会人になりたい!

思考の種類はさまざまあるかと思いますが、職場の先輩、上司から意識することが大切だと叩き込まれたゴール思考とプロセル思考について紹介します。その後、ロジカルシンキングの勉強をされた方にはおなじみの思考スキルについて(MECE、演繹法、帰納法)紹介します。

(1)ゴール思考とプロセス思考

①ゴール思考

ゴールがどこかを明確にし、ゴールを常に設定するようにする思考です。ゴールを設定することで行動の最適化を図ることが重要です。何事も目的意識を持つことは重要であると思います。前編の“段取り”のところでご紹介した、目的や成果物(結果)がそれにあたります。振り返ると、幼稚園、小学生の時から、新学期、新年など季節ごとに目標を立てることを習慣づけるよう、教育されてきたように思います。まずゴールを設定することで心理的にもやるぞ!という意欲がわいてきますし、ゴールを明確にすることが、論理的、効率的に仕事を進める第一歩であると考えています。

②プロセス思考

ゴール設定したうえで、次に行うことが、プロセス思考であると考えます。プロセス思考はプロセスを意識する思考で、ゴールまでの作業を明確にしていく思考です。また、ゴールまでのプロセスを考える中で不確定要素があるものでも、仮設を立てて、とにかくぶつけて前に進めるように心がけることも大切です。不確定要素のある作業に取り組む際には、職場の先輩、上司に確認し、不確定であっても、自分で考えてストーリーを作るようにしています。

②社会人のスキル・心得:ロジカルシンキング(論理的思考)

ロジカルシンキングでは、ロジックツリーやピラミッドストラクチャーと呼ばれる手法があり、それはこの帰納法と演繹法を組み合わせて、ピラミッド上に論理を構成していく手法です。

ロジックツリーは、ピラミッドの一番上にある課題を、ピラミッドの下に行くに従い、個別具体的な論点に分けて、問題の構造を明らかにするやり方です。そのため、問題の原因を確認する際に有益です。

ピラミッドストラクチャーはピラミッドの複数の下にある内容が上の結論を説明するやり方です。イメージとして、ピラミッドの下に原因、前提、理由などがあり、ピラミッドの上に結論、主張があり、原因、前提、理由などが、結論を支えるイメージです。報告書などによく用いられます。

今回は帰納法と演繹法、MECEについて取り上げたいと思います。

(1)帰納法と演繹法

①帰納法

帰納法は個々の事象から類似点をまとめ上げ、結論を引き出す論法。

例えば、
「A食品会社のインターネット通販の売り上げが伸びている」
「B食品会社のインターネット通販も売り上げが伸びている」
「C食品会社のインターネット通販も売り上げが伸びている」

という個別の事実から、「大手食品会社のインターネット通販の売り上げが伸びている」という結論を引き出すやり方です。

②演繹法

演繹法は複数の共通概念から論理をつなげて結論を出す論法。

代表的な例として、アリストテレスの例があります。

共通概念:「すべての人間は死ぬ」 「ソクラテスは人間である」

⇒結論: ゆえにソクラテスは死ぬ

(2)MECE

MECEは“Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”、漏れなく、ダブリなく、という意味です。物事を考えるとき、正確な答えを導き出すために必要な要素を網羅しながらも、それらが重複しないようにする考え方です。総合的な視点から必要な事実を分類して、問題や課題に対する正しいアプローチを導き出すことができるようになります。

③社会人のスキル・心得:戦略的思考

経営戦略とはビジネスキャリア検定経営戦略2級のテキストによると以下と定義されています。

「市場の中の組織としての長期的な基本設計図」あるいは「企業や事業の将来のあるべき姿とそこに至るまでの変革のシナリオを描いた設計図」

1960年代に経営戦略論が提唱されてから様々な考え方がありますが、戦略は外部環境の変化も考慮し、長期的に持続可能な事業をどのように展開していくのかを検討することだと思います。

戦略は大きく①全社戦略②事業戦略③機能別戦略の階層があります。

①全社戦略:全社戦略は企業全体の成長を図る戦略。ドメイン策定や資源の分配。

②事業戦略:事業ごとの競争優位性の構築を図る戦略

③機能別戦略:事業戦略実現のための機能(職能)別の戦略

それぞれ階層はありますが、この戦略を考えるポイントについて紹介します。ここでは「組織は戦略に従う」と提唱したチャンドラーの見解を紹介します。様々な考え方があるので、いろんな方の意見に触れ、自分なりの戦略思考を見つけていくのが一番よいかと思います。

戦略策定の要素はチャンドラーによると以下の通りです。
それぞれのポイントを意識して検討することが大切としていますのでご参考ください。

・環境における機械と脅威

・自社の内部資源の強みと弱み

・社会的役割

・経営者の価値観

上記の説明でもあった機会と脅威や強みと弱みの話がありましたが、自社の強み・弱み、それが外部環境の機会・脅威に対して事業活動を行う上で同のように影響するか、どのように生かせるかを整理するツールがSWOT分析です。以下の図に示しますのでご参考ください。

最後に

前編、後編と主に就活生や新入社員の方向けに私が仕事をする際に心がけている要素や、これから身に着けたいと思っている思考について紹介いたしました。どの思考方法も、様々な人の意見を聞いて、自分の中で一番やりやすく、成果につながる方法を採用するという形がよいかと思います。少しでも、みなさまのお役に立つ内容でしたら、幸いに存じます。拙い文章ですが、弊社のメディアにお越しくださり、本ブログを最後まで読んでいただきありがとうございました。